米ウェストバージニア大学の研究チームは、自閉スペクトラム症(ASD)のある人とない人が「撮影した写真群」から、ディープラーニングで互いを識別することに成功し、「一人称視点の違い」について新たな知見を導いた。
査読付き医学ジャーナルであるAutism Researchにて1日公表された研究論文によると、人物・屋内・屋外のそれぞれにおいて、ASDのある人とない人による写真撮影を行い、この写真群からASDの有無を識別する分類器を導出したという。いずれの写真カテゴリにおいてもアルゴリズムは効果的にASDの有無を識別したが、特に人物写真において80%を超える精度を示していた。また、ASDのある個人が取った写真には、特に視野中央において「目立たないオブジェクト」が配置される傾向を初めて明らかにした。
研究チームは、これらの成果によってASD評価のための客観的尺度を導ける可能性に言及するとともに、ASDを持つ人々が非典型的な視覚的関心・注意傾向を持つ事実を明らかにした点で、疾患理解への大きな助けとなることを強調する。