自閉スペクトラム症を持つ人々が見る世界 – ディープラーニングが解き明かす「視点の違い」

ウェストバージニア大学の研究チームは、自閉スペクトラム症(ASD)のある人とない人が「撮影した写真群」から、ディープラーニングで互いを識別することに成功し、「一人称視点の違い」について新たな知見を導いた。

査読付き医学ジャーナルであるAutism Researchにて1日公表された研究論文によると、人物・屋内・屋外のそれぞれにおいて、ASDのある人とない人による写真撮影を行い、この写真群からASDの有無を識別する分類器を導出したという。いずれの写真カテゴリにおいてもアルゴリズムは効果的にASDの有無を識別したが、特に人物写真において80%を超える精度を示していた。また、ASDのある個人が取った写真には、特に視野中央において「目立たないオブジェクト」が配置される傾向を初めて明らかにした。

研究チームは、これらの成果によってASD評価のための客観的尺度を導ける可能性に言及するとともに、ASDを持つ人々が非典型的な視覚的関心・注意傾向を持つ事実を明らかにした点で、疾患理解への大きな助けとなることを強調する。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。