医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例アンビエント・インテリジェンスでヘルスケアの暗がりを照らす - Natureのレビュー論文より

アンビエント・インテリジェンスでヘルスケアの暗がりを照らす – Natureのレビュー論文より

アンビエント・インテリジェンス(ambient intelligence)は「空間・環境内のセンサーから人の動きなど健康に関する情報を解析する技術」として、近年の医療AI領域でひとつのトレンドとなった概念である。

学術誌Natureに9日付けで発表された「アンビエント・インテリジェンスでヘルスケアの暗がりを照らす」と銘打たれた論文は、171報の引用文献から同領域の技術を網羅的に考察している。スタンフォード大の研究者らによってまとめられた内容には大きなトレンドとして「安価で利用しやすい赤外線センサーによる医療および介護環境のリスクへの取り組み」と、「センサーからの入力がAIアプリを訓練する機械学習の発展」が示されている。赤外線センサーの応用例として、病室へ入る人が手を洗ったかを識別し警告を発する技術が挙げられている。また、スマートフォンに搭載されるような高解像度のセンサーは、AIアルゴリズムを訓練するのに十分正確なデータを集めることが可能になったと評する。

家庭や介護施設におけるアンビエント・インテリジェンス技術は、今後もプライバシーへの配慮といった倫理的な課題があると著者らは指摘する。その一方で技術の発展の方向性が様々な医療のリスクを抑制する可能性が示されており、アンビエント・インテリジェンスという研究領域に今後も大きな期待が集まり続けるだろう。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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