米ジョンスホプキンス大学の研究チームは、COVID-19患者の予後を予測するAIアルゴリズムを開発した。予測ツールは、医療者の意思決定とリソース分配の改善に有用とみられ、大きな注目を集めている。
研究チームが23日、Annals of Internal Medicineにて公表した研究論文によると、本年3月から4月にかけてジョンスホプキンス大学の5つの関連病院に入院したCOVID-19患者827名の臨床データから、このAIアルゴリズムを導出したという。取り込まれた特徴量には、潜在的リスク因子である年齢や既往歴、BMI、バイタルサイン、肺機能、入院時における症状の重篤度などがあった。研究では、リスク因子保有の程度に応じて、COVID-19が重症移行しやすいことを疫学的に明らかにしており、重症化あるいは死亡した302名の患者では、進行の中央値が1.1日であるなど急速な転機を迎えやすい疾患特性も明確にしている。
Health IT Analyticsの取材に対して、研究チームのAmita Gupta教授は「病院への入院段階で、COVID-19による重症化または死亡のリスクを定量的に評価できる要因を明らかにした」としており、患者家族との事前連絡においてこれらの情報を聴取することにより、医療リソースの割り当てを適切に行うことが可能となることを強調する。