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ジョンスホプキンス大学 – COVID-19患者の予後を予測するAIアルゴリズム

米ジョンスホプキンス大学の研究チームは、COVID-19患者の予後を予測するAIアルゴリズムを開発した。予測ツールは、医療者の意思決定とリソース分配の改善に有用とみられ、大きな注目を集めている。

研究チームが23日、Annals of Internal Medicineにて公表した研究論文によると、本年3月から4月にかけてジョンスホプキンス大学の5つの関連病院に入院したCOVID-19患者827名の臨床データから、このAIアルゴリズムを導出したという。取り込まれた特徴量には、潜在的リスク因子である年齢や既往歴、BMI、バイタルサイン、肺機能、入院時における症状の重篤度などがあった。研究では、リスク因子保有の程度に応じて、COVID-19が重症移行しやすいことを疫学的に明らかにしており、重症化あるいは死亡した302名の患者では、進行の中央値が1.1日であるなど急速な転機を迎えやすい疾患特性も明確にしている。

Health IT Analyticsの取材に対して、研究チームのAmita Gupta教授は「病院への入院段階で、COVID-19による重症化または死亡のリスクを定量的に評価できる要因を明らかにした」としており、患者家族との事前連絡においてこれらの情報を聴取することにより、医療リソースの割り当てを適切に行うことが可能となることを強調する。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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