日々の食事内容は腸内細菌叢に直接的な影響を与える。これまで、血液や尿は栄養バイオマーカーの探索のために広く活用されてきたが、このほど、糞便から食生活を予測しようとする研究成果が公表された。
The Journal of Nutritionにて6日公開された論文によると、米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の研究チームは、健常成人285名からなる5つの研究データベースを活用して本研究成果を導いたという。研究では、特定の食品(アーモンド・アボカド・ブロッコリー・クルミなど)の摂食量を、糞便微生物叢から予測するランダムフォレストモデルを構築した。全体の分類精度は70%だったが、大麦とオートミールを1つの穀物カテゴリにまとめると、23の分類群に対して77%まで向上がみられた。同様に15の分類群に絞ることでは、85%までの精度改善がみられている。
研究チームは「健常成人の食物消費は、バイオマーカーとしての糞便細菌から予測することができる」とし、食生活指導や栄養研究におけるコンプライアンスの尺度としても利用できる可能性に言及している。