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COVID-19パンデミック下において遺伝学と疫学の果たす役割

米ノースカロライナ大学チャペルヒル校(UNC)とヴァンダービルト大学医療センター(VUMC)の研究チームは、COVID-19が深刻な疾患・合併症に関連し得る遺伝子発現をどう変化させるかについて、機械学習手法を用いた研究に取り組んでいる。

UNCがこのほど明らかにしたところによると、同研究チームは、Googleのフィランソロピー部門であるGoogle.orgから50万ドルの研究助成を受け取ったという。本研究では4,000名以上から成るヒスパニックコホートから、過去16年間に渡って収集された血液サンプルを分析して行われるという。コホートが所在するテキサス州キャメロン郡は、米国で最も高率なCOVID-19発症を認めるエリアのひとつで、コホートの一定数にも新型コロナウイルスへの感染が確認されている。研究チームは、新型コロナウイルス感染の前後でのRNA発現プロファイル、および感染のない他のコホート参加者プロファイルとも比較することで革新的な知見導出を目指す。

UNCで疫学部門の教授を務めるKari North氏は「新型コロナウイルス感染による特定の遺伝子発現の変化を特定することは、極めて重要な科学的知見になる」とし、期待される研究成果への大きな期待を示している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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