Google Trendsの活用 – キーワード検索からCOVID-19ホットスポットを特定

米メイヨークリニックの研究チームは、Googleのキーワード検索傾向から、COVID-19の感染拡大が危惧されるいわゆる「ホットスポット」を特定できるとする研究成果を公表した。論文はMayo Clinic Proceedingsに収載され、全文がオンライン公開されている。

本論文によると研究チームは、Google社が提供する「Google Trends」を利用し、COVID-19に関連した症状キーワード(喉の痛み・息切れ・倦怠感・咳)のほか、抗体、マスク、コロナウイルス検査センター、コロナウイルスワクチンなどといった関連ワードの検索傾向と、全米50州における実際の症例数との相関を調査した。研究成果からは、特定の地域で初発症例が報告される数日前から中等度の相関を示すようになり、それに続いて相関が減少する様子が確認された。

本研究成果はCOVID-19ホットスポットの推移と特定に役立つだけでなく、今後の新規感染症の発生モニタリングにおけるデジタル監視の有効性を示すものともなる。先行研究では、デング熱やジカウイルス、季節性インフルエンザ、麻疹などでデジタル監視の有効性が示されてきた(先行研究1, 2, 3, 4, 5)。一方で、著者らは国・地域単位での予測モデル確立が必要としており、よりドメスティックな検索エンジンを複数活用することで高い予測精度を達成できる点を強調する。日本においても容易に追試可能な研究デザインであるため、ぜひ読者からの取り組みにも期待したい。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。