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緑内障の遺伝的リスク予測モデルの構築

世界的に、緑内障は主要な失明原因のひとつとして知られている。緑内障治療の根幹は点眼による眼圧コントロールにあるが、より早期のリスク評価によって眼圧変化を予防、あるいは平坦化させることで緑内障に伴う失明を回避できる可能性が指摘されてきた。米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの研究チームは、遺伝情報を加えた精緻な緑内障発症に関するリスク予測モデルの構築を目指している。

オハイオ州立大学によるニュースリリースによると、これまで緑内障発症の高リスク者を高精度に特定するためには、個人の眼圧データを十分量サンプリングする必要があった。しかし、これは検査そのものの実施機会、および眼圧プロファイルの個人間でのバラツキのため、必ずしも適切なスクリーニング手段とはならないという。同大学の眼科学分野で准教授を務めるRaymond Gao氏は、眼圧の遺伝学的構造を研究しており、緑内障に関する遺伝的リスクの予測モデル開発を進めている。研究チームは、眼圧に関連付けられる遺伝子の組み合わせから、眼圧スパイクが発生し得る個人と、より平坦な眼圧推移を示す個人の予測が可能である点に言及する。

近年、AIアプローチによって、緑内障の診断と進行分析は急速にその質を向上させている(過去記事)。新たな緑内障スクリーニング手段も種々提唱されるなか、遺伝学は緑内障の予防・診断・治療にどのような役割を果たすか、大きな注目を集めている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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