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わずかに触れるだけでお支払い – 指先でデジタル情報を送信する先進技術

米インディアナ州ウェストラファイエットに所在するパデュー大学の研究チームは、指先で触れることであらゆるデジタル情報を送信できるテクノロジーを開発した。このテクノロジーは指紋などといった生体認証ではなく、デジタル情報を蓄積するスマートフォンなどのデバイスとそのスキャナーを「身体でリンクさせる」というもの。

パデュー大学の公式ニュースによると、開発されたプロトタイプではカードやスマートフォンを所持していれば、指先でスキャナーに触れるだけで種々のデジタル情報を送信できるという。研究者たちは支払い時やPCのパスワードロック解除などの用途を想定している。これは、通常のブルートゥース通信よりも電磁スペクトルがはるかに低い、いわゆる「準静電界」で信号を結合することにより、生体内に信号を閉じ込めることができるというもの。このテクノロジーにおいては指がほんのわずかでも離れていれば情報の転送が行われることがないため、ハッカーが信号を傍受してクレジットカード情報を盗むことなども防げるとしている。

医療現場への活用について明確な言及はなかったが、例えば既往歴や内服状況などをデジタル情報として保有していれば、救命救急の現場で意識不明であったとしても、治療に有用な情報の取り出しを速やかに行うことができる可能性もある。公開された研究論文、利用風景に解説を加えた関連動画も参照のこと。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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