米国内で視野欠損や斜視を経験している患者は約5000万人、世界的には4億5000万人規模という推計がある。眼科検査と診断を身近で利用しやすいクラウドベースのプラットフォームに移行するため、米マイアミ拠点の企業「Heru」は自律型AIを搭載した眼科診断ソフトウェアを開発している。
Heru社の21日付けプレスリリースでは、同社の視野検査アプリケーションがFDA class1にリスト入りしたことと、シードラウンドで270万ドルの資金調達を完了したことが発表されている。同社のクラウドベースのソフトウェアは市販のAR/VRヘッドマウントディスプレイに組み込まれ、専用の検査室などを必要とせず、診療所や家庭などあらゆる環境で眼科検査を可能とする。
Heru社は眼科領域で国際的にトップクラスとの定評があるマイアミ大学・バスコム=パーマー眼科研究所から、スピンアウト企業として2018年に設立された。同社のCMO(最高マーケティング責任者)であるJohn T. Trefethen氏は「大型で煩雑な検査装置が診察室を占有する時代は終わりました。Heruの現代的なアプローチによって、眼科医療には軽量なクラウド技術が導入され、時間とスペースを節約しながら臨床の水準を維持できます」と語っている。