医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例米Heru社 - AI搭載の眼科検査クラウドアプリをヘッドマウントディスプレイで運用

米Heru社 – AI搭載の眼科検査クラウドアプリをヘッドマウントディスプレイで運用

米国内で視野欠損や斜視を経験している患者は約5000万人、世界的には4億5000万人規模という推計がある。眼科検査と診断を身近で利用しやすいクラウドベースのプラットフォームに移行するため、米マイアミ拠点の企業「Heru」は自律型AIを搭載した眼科診断ソフトウェアを開発している。

Heru社の21日付けプレスリリースでは、同社の視野検査アプリケーションがFDA class1にリスト入りしたことと、シードラウンドで270万ドルの資金調達を完了したことが発表されている。同社のクラウドベースのソフトウェアは市販のAR/VRヘッドマウントディスプレイに組み込まれ、専用の検査室などを必要とせず、診療所や家庭などあらゆる環境で眼科検査を可能とする。

Heru社は眼科領域で国際的にトップクラスとの定評があるマイアミ大学・バスコム=パーマー眼科研究所から、スピンアウト企業として2018年に設立された。同社のCMO(最高マーケティング責任者)であるJohn T. Trefethen氏は「大型で煩雑な検査装置が診察室を占有する時代は終わりました。Heruの現代的なアプローチによって、眼科医療には軽量なクラウド技術が導入され、時間とスペースを節約しながら臨床の水準を維持できます」と語っている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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