医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例米Curai Health - AI補助テキストベースのプライマリケアで破壊的コスト削減

米Curai Health – AI補助テキストベースのプライマリケアで破壊的コスト削減

米国では平均的な患者で初診までに2-3週間待つとされる。プライマリ・ケアへのアクセスに苦労した潜在患者は、Googleをはじめとしたウェブ検索エンジンに医療関連の答えを求めるケースは数知れない。AIを利用したバーチャル・プライマリケアが全米の医療アクセス問題に役立つとの考えから、2017年に創立されたCurai Health社は、24時間365日どんな人でも利用できるテキストチャットをベースとした医療サービスを提供している。

FierceHealthcareの21日付の報道によると、Curai HealthはシリーズBとして2750万ドルの資金調達を完了しており、現在カリフォルニア州のみで利用可能な同社のサービスを、来年夏までに全米の半分へ拡大するための資金とする。これまで35万人以上の患者がCuraiのプラットフォームを訪れ、AIによる診断精度は90%近いという。Curaiのケアチームでは、米国ライセンスの医師と、医療トレーニングを受けた臨床補助者が働いており、両者の業務はAIによるサポートを受けている。

Curaiのウェブサイトには、遠隔診療サービスを提供する競合他社との価格比較が載せられている。同社の戦略的な低価格はプライマリケアへのアクセスを利用できずにいた患者へのアピールとなり、まずは医療へアクセスできることがセーフティネットとなるようにする同社の狙いがある。Curaiの創立者でCEOのNeal Khosla氏は「これまで多くのバーチャルケア・プラットフォームが目指してきた10-20%程度のコスト削減には興味がありません。10倍から最終的には100倍のレベルでのケア提供コスト削減を目指しています」と語っている。COVID-19のパンデミックはプライマリケアをめぐる社会的・経済的な課題をさらに悪化させたといわれており、同社のサービスが変革を起こせるか注目したい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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