医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例Clairity - 音声から自殺リスクを推定するAIアプリ

Clairity – 音声から自殺リスクを推定するAIアプリ

米オハイオ州メーソンに本拠を置くメンタルヘルススタートアップのClarigent Healthは、会話音声から「潜在的な自殺リスク」を推定するAIアプリを医療者向けに提供している。

同社のアプリ「Clairity」は、メンタルヘルスの非侵襲的なバイオマーカーとして音声に着目しており、患者の臨床症状の推移と併せ、音声データを経時的にキャプチャし解析を加えるもの。Clairityは蓄積データに基づき、個人ごとの自殺リスクの程度や治療の進捗状況、担当患者グループ全体の状況などについてレポートを返すことができ、医療者の臨床的意思決定をサポートできるように設計されている。

Clarigent Healthは2018年に設立され、多施設で10年以上に渡って実施された研究計画とそのデータに基づいた「HIPAA準拠のソリューション」を提供してきた。COVID-19の拡大に伴って、市民は過度のストレス・不安・孤立に曝されており、日常臨床における何気ない会話からも自動スクリーニングを行うセーフティネットとしての役割が、当該アプリには期待されている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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