医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例AIを巡る医療経済・政策FDAがアップデートした5つの方針「AI/MLベースSaMDへのアクションプラン」

FDAがアップデートした5つの方針「AI/MLベースSaMDへのアクションプラン」

FDA: Food and Drug Administration(アメリカ食品医薬品局)はデジタルヘルス機器の安全性と有効性に対して規制当局の立場から承認を与えている。特に昨今の「AI/機械学習をベースとしたSaMD: Software as a Medical Device(医療機器としてのソフトウェア)」開発においては、革新的な技術をFDAがどう監視していくか、一挙手一投足が注目され医療機器市場の動向を左右している。AI/機械学習が前例のないブレイクスルーを起こす可能性から、承認対象となる機器の利害関係者らと継続的な対話およびフィードバックを歓迎する方針をFDAは表明してきた。

FDAの12日付リリースでは「AI/機械学習ベースSaMDへのアクションプラン」が発表され、今後FDAが同分野に対して実施していく方針が概要として5つ示された。1.ソフトウェアの経時的な学習に関して事前策定する変更管理計画のガイダンス案発行、2.機械学習アルゴリズムの評価と改善に適したプラクティスの開発支援、3.デバイスの技術的透明性など患者中心のアプローチ促進、4.機械学習アルゴリズムを評価し改善する手法の開発、5.実世界でのパフォーマンスを監視するパイロット手法の発展、という5項目が挙がっている。

今回のアクションプランは、FDAから2019年4月に示された「AI/機械学習ベースSaMDの修正に関する規制枠組案」に対して各利害関係者からのフィードバックを受けて出されたものである。FDAではアクションプランが最新の状態を維持し、患者の安全性に対処し、有望な技術へのアクセス向上のために進化し続けることを期待している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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