急性腸間膜虚血症は種々の要因によって腸管血流が途絶するもので、炎症の惹起を経て梗塞に至る。適切な診断と早期治療が望まれるが、腸梗塞発生後の死亡率は7-9割にも上るため、検査による精査よりも治療遅延を回避するための臨床診断が重視されている。このような急性腸間膜虚血症による院内死亡を予測するモデルが、中国・四川大学の研究チームから公開された。
International Journal of General Medicineからこのほど公開されたチームの研究論文によると、急性腸間膜虚血症のために集中治療を受けた338名の患者データからこの予測モデルを導いたという。単変量解析によって同疾患の独立した予測因子を抽出し(拡張期血圧・乳酸値・クレアチニン値・年齢・血液pHなど)、古典的な解析方法であるノモグラム、および機械学習モデルによる院内死亡予測を試みた。両者はAUC 0.77、0.83を示し、いずれもが優れた識別とキャリブレーションを達成したと結論付けている。
研究チームは「ノモグラムは簡潔で、比較的正確な予測を可能とする。ノモグラム-機械学習(Nomo-ML)モデルがケアを改善し、急性腸間膜虚血症をめぐる医師の臨床的意思決定を支援する可能性がある」としている。