偶発的に発見された副腎腫瘍の管理における主要な課題は、やはり良性・悪性の適切な鑑別となる。浸潤または転移の明らかな兆候が無い場合、画像単独で腫瘍の質を区別することは容易ではない。イタリア・パドヴァ大学の研究チームはこのほど、ラジオミクスによる識別可能性を調べるパイロット研究の成果を公表した。
BJS Openから先週公開されたチームの研究論文によると、非造影および造影での腹部CT画像から画像的特徴(ヒストグラム、グレーレベルカラーマトリックスおよびランレングスマトリックス)を抽出した上で、教師なし機械学習アプローチによる良性・悪性の識別を試みた。結果、検証に用いた8症例の副腎皮質がんのうち、7症例を適切に識別することができた。
CTテクスチャ分析によるラジオミクスは、機械学習との抱き合わせによってその臨床的有効性を飛躍的に向上させる可能性がある。各癌腫の良性悪性鑑別は特にその適用価値が高く、あらゆる画像モダリティで検証研究の進むことが期待されるだろう。