ラジオミクス – 副腎腫瘍の良性・悪性を画像から識別する機械学習研究

偶発的に発見された副腎腫瘍の管理における主要な課題は、やはり良性・悪性の適切な鑑別となる。浸潤または転移の明らかな兆候が無い場合、画像単独で腫瘍の質を区別することは容易ではない。イタリア・パドヴァ大学の研究チームはこのほど、ラジオミクスによる識別可能性を調べるパイロット研究の成果を公表した。

BJS Openから先週公開されたチームの研究論文によると、非造影および造影での腹部CT画像から画像的特徴(ヒストグラム、グレーレベルカラーマトリックスおよびランレングスマトリックス)を抽出した上で、教師なし機械学習アプローチによる良性・悪性の識別を試みた。結果、検証に用いた8症例の副腎皮質がんのうち、7症例を適切に識別することができた。

CTテクスチャ分析によるラジオミクスは、機械学習との抱き合わせによってその臨床的有効性を飛躍的に向上させる可能性がある。各癌腫の良性悪性鑑別は特にその適用価値が高く、あらゆる画像モダリティで検証研究の進むことが期待されるだろう。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。