国際脳卒中学会 2021(ISC: International Stroke Conference)が3月17日〜19日に開催された。同学会では、AIソフトウェアで脳卒中治療の時間的制約に挑むViz.ai社(サンフランシスコおよびテルアビブ拠点)の技術を裏付ける3報の臨床研究が発表された。
Viz.aiのプレスリリースでは、3報の研究を紹介している。
1本目の研究では、米テキサス州バレー=パプティスト=メディカルセンターのHassan氏らにより「Viz.aiのアプリケーション利用で一次脳卒中センター(PSC)から包括的脳卒中センター(CSCs)に転送されるまでの時間が平均45%(102.3分)短縮された」ことが示された。
2本目も同じくHassan氏らの研究で、「Viz LVO(large vessel occlusion: 主幹動脈閉塞を検出するソフトウェア)によって、CSCs入室から再灌流療法を開始する穿刺までの時間が平均86.7分短縮し、再灌流率が10.8%向上した」ことが示された。
3本目では、米ニュージャージー州クーパー大学病院のJankowitz氏らによる「Viz RECRUIT(臨床試験登録のスクリーニングソフトウェア)によって脳出血患者のスクリーニング率が41%、登録率が213%向上した」ことが示された。
Hassan氏は「時は脳なり(time is brain)という標語のように、脳卒中センターにおける医療提供方法の改善と時間短縮が、患者転機の向上・死亡率の低下・入院期間の短縮につながる可能性があります」と語る。Viz.aiのAI技術が挑む「時間との戦い」は実際に脳卒中患者の障害を軽減し、予後を改善するか、さらなる報告が待たれる。