Thirona – 嚢胞性線維症のAIソフトウェアを公表

オランダ・ナイメーヘンを本拠とするAIソフトウェア企業であるThironaはこのほど、嚢胞性線維症(cystic fibrosis)をCT画像から自動スキャンするAIソフトウェアのリリースを公表した。嚢胞性線維症は常染色体劣性遺伝疾患で、日本においては非常に稀な疾患であるが、欧州ではその罹患率が300倍程度と、発生に人種差の大きい難病としても知られている。

Thironaが明らかにしたところによると、PRAGMA-CFと呼ばれるこのAIソフトウェアは気道の異常や虚脱肺組織など、嚢胞性線維症に関連する肺の不規則性をCT画像から検出することができる。現在、同等の作業を専門家によって行うと患者1人あたり最大数時間かかるとし、PRAGMA-CFによる解析処理が数秒で終わる点で優位性を強調する。

この新しいアルゴリズムは、Thironaの画像分析パッケージであるLungQの一部として提供され、見逃されがちな希少疾患検出のセーフティネットとなる。同社は昨年10月段階で胸部CTスキャンにおけるAIソフトウェアの特許を取得し、多数の競合企業がひしめく同領域で確かなポジション取りを進めている。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。