HIV患者の転帰を改善する機械学習技術

米国立衛生研究所(NIH)はこのほど、米ブラウン大学に対し460万ドル(約5.2億円)に及ぶ研究助成を行った。これは、HIVケアプログラムの効果を高めるための機械学習ツール開発を支援するもの。

ブラウン大学が明らかにしたところによると、この助成金に基づき、ケニアのモイ大学と共同した研究開発プログラムを展開するという。電子カルテデータベースを活用し「ウイルス量の増加によって治療失敗のリスクのある患者」が、いつ・なぜ治療から脱落してしまうかを機械学習アルゴリズムによって予測する。研究チームは、このシステムを電子カルテに統合することで、どの程度有効な成果が得られるかを検証する臨床研究までを計画する。

研究を率いるブラウン大学公衆衛生学・生物統計学分野のJoseph Hogan教授は「医師はアルゴリズムの結果を利用し、どの患者が危険な状態にあるかを診察時点で都度確認することができる。悪い結果が起こってから対応するのではなく、悪い結果を避けるための予防措置を取ることができるようになる」と述べる。HIVケアにおける切実な問題点へのAI利用として、研究動向に関心が集まる。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、現在は米マサチューセッツ総合病院研究員、ハーバードメディカルスクール・インストラクター。他に、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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