注意欠陥・多動性障害(ADHD)は小児期によく見られる疾患であるが、疾患として認識されず未治療に終わることが多い。医療サービスへのアクセスを改善するには、効果的な資源配分のため、ADHDリスクの高い児童集団を正確に予測することが必要となる。
英King’s College Londonの研究チームは、教育データに健康データを紐付け、AIアプローチによってADHDリスクをどの程度予測できるかを検討した。研究成果はBMJ Openからこのほど公開されている。民族や言語の差異は、前処理アルゴリズムを用いて重み付けを行った上で、ADHD予測のための4つの機械学習モデル、および1つのニューラルネットワークを構築した。結果、AUCは0.86を示し、ADHDスクリーニングへの有用性を示唆する結果を得ている。
著者らは「教育データに健康データをリンクさせることで、正確かつ低コストでスケーラブルなADHD予測モデルを提供できる」とし、ハイリスク集団の同定と早期介入を教育現場から実現し得る点を明らかにしている。
関連記事: