AI/機械学習モデルの医療への活用が進むが、現実的には全ての集団に適切に機能する一般化されたモデルの開発は難しい。米国で医用画像へのAI活用に取り組む公的機関「MIDRC(Medical Imaging and Data Resource Center)」の研究チームは、医療画像処理AIの開発で発生し得るバイアスを軽減する戦略を報告している。
Journal of Medical Imagingに報告された同研究では、医療画像処理AI開発を、5つの主要ステップ(データ収集、データ準備とアノテーション、モデル開発、モデル評価、モデル展開)に分類し、そのプロセスの中で発生し得る29の潜在的なバイアス発生源を特定した。例えば、データ収集のプロセスでは、単一の病院や単一のスキャナー機器から画像を調達することがバイアスにつながると説明している。
モデルに含まれる偏り(バイアス)を無視・過小評価することには、患者への不平等や医療格差を悪化させる懸念がある。MIDRCでは本研究のようなバイアスを特定・軽減する戦略について議論を続けており、同機関のウェブサイト上でも情報を公開している。
参照論文:
関連記事: