単純レントゲン写真やCTスキャンなど、他の画像モダリティと比較して、MRIは高品質の軟部組織コントラストを提供する価値ある画像種だ。一方で、MRIは動きに非常に敏感であり、わずかな動きも画像アーチファクトとなり、医師の診断を妨げてしまう。
米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、脳MRIにおける動きを補正することのできるディープラーニングモデルを開発した。最近、テネシー州ナッシュビルで開催されたMedical Imaging with Deep Learning会議(MIDL)で最優秀口頭発表賞を受賞した本研究は、スキャン手順に変更を加えることなく、動きを伴う画像データから「動きのない画像データ」を導くというものだ。物理ベースのモデリングとディープラーニングを組み合わせることで、正確な画像出力を担保しており、不正確な画像生成による診断結果の悪化を防ぐアプローチを実現した。
研究チームは、子どもや高齢者など、静止を維持しにくい症例を中心に、本技術の活用が進むことを予測し、「将来的には、この研究から派生したアプローチにより画像を処理することが標準的な手法になる可能性が高い」と述べている。
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