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ChatGPT – 救急外来の鑑別診断で医師と同等のパフォーマンス

ChatGPTが日常の診断ケースにどの程度有効に機能するか、多くの臨床医による検証が続けられている。オランダのイェルーン・ボッシュ病院の研究チームは、救急外来の症例を集め、ChatGPTが導いた鑑別診断の候補を医師と比較する研究を行った。

9月16日から20日まで開催のEuropean Emergency Medicine Congressで発表された研究では、同病院の救急外来患者30名の臨床情報をChatGPT(バージョン3.5および4.0)に入力し、生成された鑑別診断の候補リストを、救急医が作成したリスト、そして正しい診断結果1つと比較検討した。その結果、ChatGPTと救急医による診断リスト間で約60%の一致が確認された。また、診断可能性の高い上位5つまでに正しい診断が含まれていた割合は、ChatGPTのバージョン3.5で97%、バージョン4.0で87%、救急医で87%であった。

研究を主導したHidde ten Berg氏は、「この結果は、ChatGPTが医師と同様の鑑別診断を提案できたことを示している。プライバシーに関する懸念はあるものの、救急外来の待ち時間短縮や、経験の少ない医師のサポート、さらには稀な疾患の検出において、技術の活用が期待できる」と語っている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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