心臓の右室機能の重要指標である「右室駆出率」や「右室拡張末期容積」を正確に定量する検査ツールは、心臓MRIなど一般臨床的には利用しにくい方法に限られ、時間やリソース上の制約がある。米マウントサイナイ医科大学の研究チームは、心電図にAI解析を組み合わせ、世界的に広く利用可能な右室機能評価手法の確立を目指している。
Journal of the American Heart Associationに発表された同研究では、UKバイオバンクの大規模データから心臓MRIのデータセットを用い、深層学習ベースの心電図解析モデルをトレーニングした。その結果、右室機能不全の正確な評価と臨床転帰との関連を示すことができたとする。
著者のAkhil Vaid医師は、「本研究により、他の一般的な検査では容易に定量化できない右室の機能を予測できるようになった」と述べている。研究チームは、このアプローチが、特に先天性疾患患者など右室機能に問題を抱える患者にとって重要な意味を持つとして、肺高血圧症や様々な心筋症などに対する臨床的有用性の確認を目指し、外部検証を行っていく予定だ。
参照論文:
Quantitative Prediction of Right Ventricular Size and Function From the ECG
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