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機械学習による肝硬変の死亡率予測に関する評価:システマティックレビュー

肝硬変の評価ツールとして、Child-Pugh分類やMELDスコアなどが知られているが、死亡率の予測については限界がある。米ニューヨークに所在するRochester General Hospitalなどの研究チームは、「機械学習よる末期肝硬変患者の死亡率予測」について系統的レビューを行い、Journal of Medical Artificial Intelligenceより発表した

研究チームは、「機械学習による末期肝硬変の死亡率予測」に関連する2024年4月までの論文につき、PubMed、CINAHL、Ovid、Springer、Cochraneのデータベースを検索し、基準を満たす10件の後ろ向き研究のレビューを行った。モデルに関しては、ロジスティック回帰(LASSOによる正則化を含む)、ランダムフォレスト、ブースティング系(勾配ブースティングおよびAdaBoostなど)がそれぞれ5件、人工ニューラルネットワーク(ANN)/ディープラーニング系が4件あり、その多くが従来モデルを上回る予測性能を示していた。例えばANNを使用したモデルのうちの1つでは、従来のMELDスコアのAUROC(0.86)を超える0.96を達成している。また、利用されたデータセットには、患者の年齢や性別、肝疾患の病因、臨床検査値など多岐にわたるパラメータが含まれており、従来モデルの4〜5項目に比べて多様な情報を活用していることが特徴的で、より多くのパラメータを用いたモデルにて、優れた死亡率予測精度が得られていた。

筆者らは、「末期肝硬変の死亡率を予測する機械学習モデルを臨床現場に導入するためには、複数のデータセットによりモデルの検証を行う必要がある」としている。さらに、コードやデータを共有し、ピアレビューによる評価を行うことも重要であるとコメントしている。

参照論文:

Evaluating the predictive power of machine learning in cirrhosis mortality: a systematic review

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Kazuyo NAGASHIMA
Kazuyo NAGASHIMA
長島和世 群馬大学医学部卒(MD)、The University of Manchester(MPH)。WHO/EMROにて公衆衛生対策に従事。2025年度より、アラブ首長国連邦にて、プライマリーケア診療。
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