米Jvionなどの研究チームは、30日間という「短期での死亡リスクが高いがん患者」を特定するAIツールを開発した。一般的な臨床情報のみでなく、社会経済的因子や地理的要因をモデル内に組み込んだことが特徴で、緩和ケア導入のタイミングを検討する上での重要な示唆を与える可能性がある。
Future Medicineから公開された同報告によると、本研究は、血液学・腫瘍学領域における3,671名の匿名化患者データベースを利用したもの。年齢や性別などの基本的な属性データ、がん種や病期を含む臨床データ、ライフスタイルや生活環境を含む社会経済的因子などを元として、がん患者の30日間死亡率を予測する高精度な機械学習アルゴリズムを得たという。研究者らは、同アルゴリズムを活用することで「臨床的要因に可逆的なものを含む場合は転帰を改善する可能性がある」とする一方、真のターミナル期に近づく人々に対して、不必要で有害なケアを防ぎ得ること、適切なタイミングでの緩和ケア導入を実現し得ることを強調している。
ターミナル期における治療の厚みは、患者および家族にとっての価値観が優先されるべきで、これが見過ごされる場合、治療方針への大きな後悔と著しいQOL低下を来たす可能性がある。盲目的な治療選択を避け、状況の客観的理解を深めるための意思決定支援ツールとしての発展が期待されている。
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