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AIが放射線科医に与える影響 – AIの個別化利用戦略

米ハーバードメディカルスクール、マサチューセッツ総合病院、スタンフォード大学などの研究チームは、AIベースの読影支援ツールの使用が、放射線科医のパフォーマンスに与える影響を評価した。研究成果はこのほど、Nature Medicineから公開されている。

研究チームは、15の胸部レントゲン写真読影タスクについて、140人の放射線科医におけるAI支援効果を調査した。驚くべきことに、経験年数やサブスペシャリティ、AIツールへの習熟といった従来の経験に基づく要因は、AI支援による影響を確実に予測することはできなかった。さらに、実績の乏しい放射線科医ほどAI支援による恩恵を一貫して受けておらず、これは一般的な仮定(「臨床経験の浅い医師ほどAI支援によってパフォーマンスが向上する」)を覆すものであった。むしろ、AIエラーの発生が結果に強く影響しており、不正確なAI予測が放射線科医のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことを明らかにした。

研究チームは、臨床医とAIの連携における個別化アプローチの重要性と、正確なAIモデルの重要性を浮き彫りにした。AI支援の有効性を形成する要因を理解することで、本研究はAIの的を絞った導入のための貴重な洞察を提供しており、臨床現場において個々の臨床医に最大限の利益をもたらす戦略を示唆している。

参照論文:

Heterogeneity and predictors of the effects of AI assistance on radiologists

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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