糖尿病網膜症(DR)は、米国の就労世代における失明原因の一つである一方で、糖尿病患者の半数以上が定期的な眼科検査を受けていない。多くの患者は複数の慢性疾患を抱えており、内分泌科や腎臓内科の受診を優先するため、眼科受診は視覚症状が出現してからになる傾向がある。こうした背景を踏まえ、米国のDuke Eye Centerの研究チームは、2026年5月より糖尿病患者が日常的に受診する内分泌科外来において、AI支援による糖尿病網膜症スクリーニングプログラムを開始することを、Duke University School of Medicineのプレスリリースで発表した。
本プログラムでは、内分泌科外来にて訓練を受けたスタッフが散瞳を行わずに網膜写真を撮影し、AIシステムが画像を解析することで、約30秒以内に結果を提示できる体制を構築している。これにより、診療当日の外来で医師が結果説明を行うことが可能となり、DRが検出された場合には即時に眼科への紹介を行う運用が実現される。従来は眼科専門医による読影や別日の受診が必要であったプロセスを簡略化し、スクリーニング受診率の向上および診断遅延の低減に寄与することが期待される。
本取り組みについて、内分泌学教授のDavid D’Alessio氏は、「本スクリーニングは、患者にとってよりアクセスしやすく利便性の高い形でDRの検出機会を拡大するとともに、医療者へ迅速な診断情報を提供することが可能となる」と述べている。初期導入は患者数の多い2つの内分泌科外来で開始され、今後は、糖尿病専門センターへの段階的な導入拡大が計画されている。さらに、臨床アウトカム、検診受診率、費用対効果を継続的に評価し、将来的な展開に反映する予定である。
参照論文:
Duke Launches First Large-Scale AI-Powered Diabetic Retinopathy Screening Program
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