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心エコー解析AIがその後1年間の死亡率を予測

Geisingerは米ペンシルベニア州およびニュージャージー州において多数の医療機関を提供する、一大ヘルスケアプロバイダーだ。同団体の研究チームはこのほど、心エコービデオのピクセルデータでトレーニングされた深層学習アルゴリズムが、1年間の全死因での死亡率を有意に予測するとの研究成果を公表した。なお、本研究成果は2019年の米国心臓協会(AHA)年次会議で学会公表されたものを発展させ、論文として取りまとめたもの(過去記事)。

8日、Nature Biomedical Engineeringから公表された研究論文によると、チームは34,362名から80万を超える心エコービデオを取得し、畳み込みニューラルネットワークのトレーニングを行ったという。得られたモデルによる死亡予測は、既存の評価指標のほか、心エコー図の特性58項目と100を超える臨床変数から構築された機械学習モデルによる精度も大きく上回っていた。

また、AIモデルの支援を受けたを心臓専門医は、予測の特異性を維持しながら、予測感度を13%と大幅に改善していることも明らかになっている。研究チームは「深層学習によって種々の臨床予測モデルを質的に改善できる可能性」を指摘しており、さらなる研究計画の推進を予定している。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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