医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医学教育におけるAIの応用:システマティックレビュー

医学教育におけるAIの応用:システマティックレビュー

AIは医学教育の質を向上させる上で重要な役割を果たしているものの、AIが医学教育に与える影響に関するレビューは乏しい。イランの研究チームは、医学教育におけるAIの応用を調査することを目的として、システマティックレビューを実施した。

Journal of Education and Health Promotionに発表された論文によると、研究チームはPubMed、Web of Science、Scopus、Educational Resources and Information Centerを用いて、1986年から2023年の間に発表された医学教育におけるAIの応用に関する論文を検索・スクリーニングし、15件の論文がレビューの対象となった。調査の結果、AIの利用は学習者の知識やスキルの向上に有益であることが示された。具体的には、膀胱鏡検査、前立腺切除術、腹腔鏡下胆嚢摘出のバーチャルリアリティトレーニング、3Dを用いた解剖知識の習得、看護学生向けの抗がん剤投与の実習、放射線診断研修医向けの臨床診断支援などが挙げられた。

研究者らは、「今回の研究により、AIの応用が学習者の知識、態度、スキルの向上に有益であることが明らかになった。AIを実際の医学教育システムに組み込むためには、ワークショップやシンポジウムを開催し、教員や学習者のAI利用に対する意識を高める必要がある」と述べている。

参照論文:

Impact of artificial intelligence on academic performance in medical education: A systematic review

関連記事:

  1. カンザス大学 – オステオパシー医学教育にAIカリキュラムを導入
  2. 医学部教育におけるAI利用の可能性と課題
  3. 医学教育へのVR活用 – 台湾成功大学の事例
Kazuyo NAGASHIMA
Kazuyo NAGASHIMA
長島和世 群馬大学医学部卒(MD)、The University of Manchester(MPH)。WHO/EMROにて公衆衛生対策に従事。2025年度より、アラブ首長国連邦にて、プライマリーケア診療。
RELATED ARTICLES
spot_img

最新記事

注目の記事