糖尿病発症前の状態である「前糖尿病」は、放置すると2型糖尿病に進行するリスクが高く、早期発見が重要とされる。従来のリスク評価は血糖値や体重などの臨床指標に依存してきたが、インドの研究チームはこれに「酸化ストレス」の指標を統合した人工知能(AI)モデルを開発し、前糖尿病の予測精度を大幅に向上させることに成功した。本成果はScientific Reportsで公開されている。
この研究では、インドの成人199人の臨床データを収集し、HbA1cの値を基準に対照群(n=99)と前糖尿病群(n=100)に分類した。総抗酸化能(TAS)や空腹時血糖、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)、コレステロール値など14の特徴を入力とするパターンニューラルネットワーク(PNN)を設計し、データセットを訓練、検証、テストにランダム分割して学習させた。PNNは、ベイズの識別規則とカーネル密度推定に基づいたパターン認識や分類問題に特化した手法であり、今回の性能評価では、PNNが98.3%という高い精度を記録し、サポートベクターマシン(SVM:96%)、k近傍法(KNN:83%)、ロジスティック回帰(LR:71%)を上回った。特筆すべきは、抗酸化能と腹囲が予測に大きく寄与する因子として浮かび上がった点で、AIモデルの解釈性分析も併せて行われた。
研究の意義について著者らは、抗酸化状態を統合することで前糖尿病リスク評価の幅を広げられる点にあると強調する。従来の機械学習モデルは主に標準的な臨床指標に依存していたが、「今回のPNNは酸化ストレスの影響も捉え、より包括的なリスクプロファイルを提供する可能性を示した」と研究者らはコメントしている。
参照論文:
Artificial intelligence model as a tool to predict prediabetes
関連記事:




















