米ジョージ・メイソン大学の研究チームは、Journal of Quality Management in Healthcareにこのほど掲載された5報の論文を通じ、AIがCOVID-19の診断にいかに役立つかを強調している。ここではその内の1報、機械学習によってCOVID-19における各症状の発現タイミングや順序から、診断精度を向上させることができるとする研究成果を紹介する。
COVID-19の発症が疑われる患者は、医療機関における適切な対応窓口(あるいは待機所)に誘導する必要があり、一般受診患者との混合によってさらなる感染拡大が危惧されている。一方、米国では症状に基づいてCOVID-19を識別するための明確なガイドラインは存在しておらず、簡易に利用可能で有効な「症状スクリーニング」が求められてきた。研究チームは、COVID-19検査を受けた者を対象としたオンラインアンケートの結果を利用し、「症状の発生順序」からCOVID-19の診断を支援しようとする機械学習モデルを構築している。
研究結果では「発生順序はわずかに診断精度を向上させる」にとどまっているが、先行研究においても発症からの時間経過に伴って発現しやすい症状は異なることが知られており、患者ごとの背景情報を組み込むことでさらに高精度なモデル構築に至る可能性が指摘されている。
参照論文:
Order of Occurrence of COVID-19 Symptoms
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