全身性エリテマトーデス(SLE)に起因する糸球体腎炎として知られるループス腎炎は、成人SLE患者の60%、小児SLE患者の80%が発症し、その半数が末期腎不全に移行する。米ヒューストン大学の研究チームは、ループス腎炎の正確で迅速なAI診断を導入するため、Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseasesから300万ドル(4.42億円)の研究助成を受けたことを明らかにした。
ループス腎炎は血液検査や尿検査で発見できるが、腎生検が最も正確な診断法となる。一方、腎生検の解釈自体も困難であり、複数の病理医間で解釈が異なり得ることも既存アプローチの問題点としてチームは指摘する。研究者らは、生検スライドを解釈し分類するためのニューラルネットワーク構築を目指す。
生体医工学分野で教授を務めるChandra Mohan氏は「コンピュータービジョンとディープラーニングの力を活用することで、腎病理医に匹敵する分類器を構築する。これにより、患者管理とともに、長期的な腎臓および患者の転帰が劇的に改善される可能性がある」としている。
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