Qritive – 新たなデジタル病理プラットフォーム

シンガポールに本社を置き、米国はサンディエゴ、インドはプネに拠点を置くQritiveは、MassMutual Venturesが主導し、SEEDS CapitalとExfinty Venture Partnersがサポートする資金調達ラウンドにおいて、新たに750万ドル(9.9億円)を調達した。

AIを活用したQritiveのソリューションは、病理診断に用いるホールスライド画像スキャンに対して数秒以内に正確な解釈を加えることで、治療までの時間を短縮するとともに、がん治療の精度を向上させるもの。同ソリューションは既にCEマークを取得しており、シンガポール保健科学庁(HSA)による臨床使用の承認も受けている。

Qritiveの技術は、大腸や前立腺、リンパ節、乳房など複数種のがん診断をカバーし、症例管理やレポート作成、スライド閲覧・分析、テレパソロジー、シノプティックレポート、LIS統合のためのツールをまとめている点で、他に類を見ないプラットフォームとされる。同時に、Qritiveはオープンな病理環境の構築を目指しており、特定の顕微鏡やITシステムに依存せず、サードパーティのAIソリューションと容易に統合できることが大きな特徴となる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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