米ハーバードメディカルスクール、マサチューセッツ総合病院、スタンフォード大学などの研究チームは、AIベースの読影支援ツールの使用が、放射線科医のパフォーマンスに与える影響を評価した。研究成果はこのほど、Nature Medicineから公開されている。
研究チームは、15の胸部レントゲン写真読影タスクについて、140人の放射線科医におけるAI支援効果を調査した。驚くべきことに、経験年数やサブスペシャリティ、AIツールへの習熟といった従来の経験に基づく要因は、AI支援による影響を確実に予測することはできなかった。さらに、実績の乏しい放射線科医ほどAI支援による恩恵を一貫して受けておらず、これは一般的な仮定(「臨床経験の浅い医師ほどAI支援によってパフォーマンスが向上する」)を覆すものであった。むしろ、AIエラーの発生が結果に強く影響しており、不正確なAI予測が放射線科医のパフォーマンスに悪影響を及ぼすことを明らかにした。
研究チームは、臨床医とAIの連携における個別化アプローチの重要性と、正確なAIモデルの重要性を浮き彫りにした。AI支援の有効性を形成する要因を理解することで、本研究はAIの的を絞った導入のための貴重な洞察を提供しており、臨床現場において個々の臨床医に最大限の利益をもたらす戦略を示唆している。
参照論文:
Heterogeneity and predictors of the effects of AI assistance on radiologists
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