6日、JAMA Cardiologyに発表された新しい研究によると、大動脈弁狭窄症を発症または悪化する可能性のある患者を臨床医がより正確に特定するための、AIベースビデオバイオマーカーを開発した。
米イェール大学やUCSFなどの共同研究チームは、大動脈弁狭窄症に対するビデオベースのAIアルゴリズムと疾患の進行との間に関連があるかを評価しようとした。以前の研究でチームは、心臓超音波検査ビデオで大動脈弁狭窄症を示唆する特徴を特定するディープラーニングアプローチを開発している。その結果、ビデオベースのバイオマーカーであるDigital [aortic stenosis] Severity index(DASSi)が、重症の大動脈弁狭窄症の心エコーシグネチャーを正確に同定できることが分かった。
また、今回の研究では、大動脈弁狭窄症を発症していない患者、あるいはベースライン時に大動脈弁狭窄症が軽度あるいは中等度の患者において、DASSiを用いて大動脈弁狭窄症の発症と進行のリスクを層別化できるかどうかを検討した。結果、ベースラインのDASSiが高いほど大動脈弁ピーク速度の進行が速く、DASSiスコアが0.2以上では大動脈弁置換術(AVR)リスクが4~5倍高いことを明らかにしている。
DASSiを用いて同定される映像特徴は臨床医には見えないため、画像モダリティを横断してうまく機能するこのツールの能力は貴重なものとなる。今後研究チームはDASSiの診断能力を検証し、このツールが「重症型に進行する可能性のある軽度あるいは中等度の大動脈弁狭窄症患者にフラグを立てることができるかどうか」をテストすることを予定している。
参照論文:
A Multimodal Video-Based AI Biomarker for Aortic Stenosis Development and Progression
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