消化管間質腫瘍(GIST)の重要な免疫組織化学的指標として、Ki-67が知られている。これは腫瘍の増殖活性を示している可能性が高く、GISTの独立した予後指標として使用されている。中国の南京医科大学の研究チームはこのほど、 造影CT画像から術前にGIST患者のKi-67発現を正確に予測する機械学習モデルの研究についての成果を発表した。
Scientific Reportsから公開された本チームの研究論文によると、149人のGIST患者のデータを用い、腫瘍のサイズ、位置、マージンなどのCT画像特徴と1,316の放射線特徴量から、最終的に12の重要特徴量を選択・統合してラジオミクススコアを算出した。SVMモデルでKi-67発現を予測させた結果、AUCが0.832と高い精度で予測できることが分かった。特にSHAP分析により、腫瘍径が5.5cmを超えるとKi-67発現が高くなる傾向が明らかになった。
研究チームのメンバーは「このAIモデルにより、GIST患者の術前Ki-67発現をより正確に予測できるようになり、個別化医療の実現に向けた重要な一歩となる」とコメントしている。今後は複数の医療機関でのデータ検証や、多相CT画像特徴の活用、さらには遺伝子変異との関連性など、さらなる研究の展開が期待される。
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