ICUにおける重症患者では、経腸栄養不足が臨床転帰に重要な影響を及ぼすが、患者の状態は刻一刻と変化するため、従来の固定的なリスクスコアでは適切な介入が困難であった。こうした課題を背景に、米国の研究チームは、人工呼吸器管理中のICU患者における経腸栄養不足リスクを時間経過に応じて予測可能なTransformerモデル「NutriSighT」を開発し、その臨床性能を従来の機械学習モデルであるXGBoostと比較評価した。
Nature Communicationsに発表された論文によると、NutriSighTの開発には、ICUデータベースであるAmsterdamUMCから3,284例、MIMIC-IVから6,456例が用いられ、モデルは患者の4時間ごとの臨床情報から、3~7日目の経腸栄養不足リスクを予測した。解析の結果、外部検証ではROCAUCが0.76と高い予測性能を示し、従来のXGBoostモデル(0.58)と比較して全予測期間にわたり優れた性能を示した。さらに、SHAP解析により、血清ナトリウム値、拡張期血圧、平均赤血球容積(MCV)、pHといった生理学的指標が予測の重要な鍵であることが明らかとなった。
研究者らは「NutriSighTの技術的核は、自然言語処理で用いられるTransformerアーキテクチャを応用し、4時間ごとの臨床データの「文脈(時間的変化)」を学習させた点にある。NutriSighTは、人工呼吸器管理中のICU患者における経腸栄養不足のリスクをリアルタイムで把握し、患者一人ひとりに応じた栄養戦略の立案や介入タイミングの最適化を可能にする」と述べている。
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