薬剤性肝障害の発生は深刻な副作用のひとつで、薬剤開発の失敗とみなされるケースや、市場からの撤退に繋がることも少なくない。遺伝子発現データベースを利用し、早期に薬剤性肝障害の発生を予測しようとする取り組みを紹介する。
今月12日、学術誌・Journal of Chemical Information and Modelingから公表された研究論文によると、ArrayExpressが収集した遺伝子発現データベースから、事前に薬剤性肝障害の発生を予測する深層学習モデルを構築したという。ランダムに選定された198のサンプルでは、97.1%と高い正確性を示していたとのこと。
ArrayExpressには、マイクロアレイ実験で得られた多量のデータが蓄積されており、遺伝子プロファイルの検索などだけでなく、生データの自由な利用までが可能となっている。深層学習技術との抱き合わせにより、今後も価値ある研究成果の誕生が期待されている。