医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例高リスクCOVID-19患者を特定するAI - イスラエル MaccabiとMedial EarlySign

高リスクCOVID-19患者を特定するAI – イスラエル MaccabiとMedial EarlySign

イスラエルの国民皆保険制度は国内4つの保険組織Health Maintenance Organization(HMO)への加入でカバーされている。国民の約4分の1、240万人が加入しているMaccabiは、機械学習スタートアップMedial EarlySignとの共同開発で、COVID-19が重症化するリスクの高い個人を特定するAIアルゴリズムを発表した。

Medial EarlySign社のニュースリリースによると、新開発のアルゴリズムはMaccabi加入者の電子カルテを分析し、高リスク上位2%(約4万人)を特定済みという。数十の因子(年齢・呼吸器疾患と処方・入院履歴・体重とBMI・循環器疾患・喫煙・糖尿病・消化器疾患・免疫抑制など)からAIはリスクを3段階に分類している。高リスクのフラグを立てられている個人でCOVID-19が疑わしい症状が報告されると、システムから医療機関へ通知され、速やかな診断と治療へ進む助けとなる。また、保険組織Maccabi側のCOVID-19タスクフォースは、各患者に最適な隔離方法(在宅・指定ホテル・入院)をリスクレベルから判断できる。

同AIには米国の医療システムも興味を示し交渉が進んでいるという。各国ではパンデミックのカーブをなだらかにし終息へ向かわせるためのシステム作りが進む。そこには大規模な品質の高い過去の電子カルテ記録が重要な役割を果たしている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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