法医学におけるDNA表現型解析は、未知の患者特性を生体材料から直接予測することを目的とした新興領域だが、老化プロセスが大きく影響するため信頼性の高い年齢予測法の開発が欠かせない。イタリアなどの共同研究チームは、機械学習アプローチによって新しいエピジェネティックモデルを構築した。
Journal of Forensic Sciencesに26日公表された論文によると、本研究では幅広い年齢層からイタリア人被験者を集め、5つの異なる遺伝子におけるメチル化マーカーからエピジェネティックな年齢予測モデルの構築を目指したという。42の選択マーカーのうち8つを含むリッジ線形回帰モデルが最も高いパフォーマンスを示した。83名における有効性の検証試験では、4.5年程度の誤差を持った年齢予測を実現していたとのこと。
外見的特徴からの目視での年齢予測は、事件・事故の種別などによっては極めて難しくなるケースがあり、この種の客観的予測法の確立は強く求められてきた。今後同種の研究蓄積によって更なる精度の向上と実用化が期待される。