AIによる診断プラットフォームの開発で知られる米RenalytixAIは、製薬大手のアストラゼネカとのパートナーシップを公表した。両者はRenalytixAIのプラットフォームを介し、精密医療(precision medicine)に基づく診断ソリューションの開発および患者ケアの向上を狙う。これに伴って新たに計画される臨床試験(多施設ランダム化比較試験)には、ニューヨーク最大の病院ネットワークであるMount Sinai Health Systemも名を連ねる。
RenalytixAIがこのほど公表したところによると、同社のAI診断プラットフォームであるKidneyIntelXを、現在の標準プロトコル下での慢性腎臓病(CKD)の治療最適化に役立てることから始めるという。2018年にThe Lancetから公表されたシステマティックレビューによると、世界7億人もがCKDを有していると推算され、心血管疾患を含む重篤な疾患群の重要なリスク因子ともなることを考慮すると、その疾患インパクトは非常に大きい。
RenalytixAIの取締役メンバーで、マウントサイナイ医科大学のBarbara Murphy氏は「このコラボレーションは、KidneyIntelXを通して慢性疾患患者の治療方法と転機を改善する、パーソナライズされたアプローチを実現するものだ」とする。この取り組みにおける最初の成果は、2021年初頭の公開が予想されている。