パーキンソン病やアルツハイマー病といった神経変性疾患を、網膜スキャンによって検出するAI技術の開発が英ニューカッスル大学の研究チームによって進められている。
ニューカッスル大学が10日明らかにしたところによると、このプロジェクトは英国民保健サービス(NHS)が主宰する「AI in Health and Care Award」を受賞しており、総額5000万ポンドに及ぶ研究助成を分け合うという。英国ではパーキンソン病とアルツハイマー病は100万人以上の市民に影響を与えており、この予防と早期診断・治療は喫緊の課題として扱われてきた。研究チームは、神経変性疾患の罹患に伴い、初期から網膜に微細な変化が出現することに注目。OCTスキャンからこれら疾患の保有を識別するAIアルゴリズムを導出した。
昨年、英国首相は「NHS AIラボ」の立ち上げを表明し、革新的な医療技術を積極的に医療サービスに取り込む姿勢を明らかにした。本プロジェクトが受賞した「AI in Health and Care Award」もNHS AIラボによって主導されており、単に高い臨床的有効性が期待されるものが選定されるだけではなく、患者プライバシーに配慮した安全で倫理的なシステムであること、また実証研究はその透明性が重視されるなど、理想的なAI開発姿勢を強く求めている点でも大きな注目を集める。