医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例疾患診断へのAI活用事例英ニューカッスル大学 - 神経変性疾患を網膜スキャンで検出

英ニューカッスル大学 – 神経変性疾患を網膜スキャンで検出

パーキンソン病やアルツハイマー病といった神経変性疾患を、網膜スキャンによって検出するAI技術の開発が英ニューカッスル大学の研究チームによって進められている。

ニューカッスル大学が10日明らかにしたところによると、このプロジェクトは英国民保健サービス(NHS)が主宰する「AI in Health and Care Award」を受賞しており、総額5000万ポンドに及ぶ研究助成を分け合うという。英国ではパーキンソン病とアルツハイマー病は100万人以上の市民に影響を与えており、この予防と早期診断・治療は喫緊の課題として扱われてきた。研究チームは、神経変性疾患の罹患に伴い、初期から網膜に微細な変化が出現することに注目。OCTスキャンからこれら疾患の保有を識別するAIアルゴリズムを導出した。

昨年、英国首相は「NHS AIラボ」の立ち上げを表明し、革新的な医療技術を積極的に医療サービスに取り込む姿勢を明らかにした。本プロジェクトが受賞した「AI in Health and Care Award」もNHS AIラボによって主導されており、単に高い臨床的有効性が期待されるものが選定されるだけではなく、患者プライバシーに配慮した安全で倫理的なシステムであること、また実証研究はその透明性が重視されるなど、理想的なAI開発姿勢を強く求めている点でも大きな注目を集める。

TOKYO analytica
TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事