「SOFAスコア(Sequential Organ Failure Assessment)」は臓器の障害を6項目にわたり0-4点の5段階で評価するもので、集中治療室などにおける患者の重症度の指標となっている。重症感染症・敗血症で用いられることが多く、スコアの上昇が死亡率とも相関し、集中治療を担う医療者にとっては馴染み深い。現場で頻用されるため、各項目を手動入力してSOFAスコアを算出する簡易なアプリはよく目にする。最近ではCOVID-19の重症例でスコアの有効性が注目されていた。
米ニュージャージー州拠点のAIソフトウェア企業Artificial Medical Intelligence(AMI)の6日付プレスリリースでは、同社のアプリケーション「EMscribe」において、電子カルテの文章記録からリアルタイムでSOFAスコアを自動生成する機能が発表された。EMscribeは自然言語処理とAI技術によって、カルテからのパラメータとコード抽出を行ってきたソフトウェアである。
AMI社のCEOであるAndrew B. Covit氏によると「COVID-19パンデミックのなか、すべての重症患者のSOFAスコアをバックグラウンドかつリアルタイムに集計することで、患者の治療優先度を決定する臨床医の倫理的負担を軽減し、臨床パフォーマンスを向上できます。EMscribeの新機能は、難しい決断を下す臨床医を助ける自動化ツールです」と語っている。