医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例SOFAスコアのAI自動抽出が臨床医の決断を助ける - AMI社「EMscribe」

SOFAスコアのAI自動抽出が臨床医の決断を助ける – AMI社「EMscribe」

「SOFAスコア(Sequential Organ Failure Assessment)」は臓器の障害を6項目にわたり0-4点の5段階で評価するもので、集中治療室などにおける患者の重症度の指標となっている。重症感染症・敗血症で用いられることが多く、スコアの上昇が死亡率とも相関し、集中治療を担う医療者にとっては馴染み深い。現場で頻用されるため、各項目を手動入力してSOFAスコアを算出する簡易なアプリはよく目にする。最近ではCOVID-19の重症例でスコアの有効性が注目されていた。

米ニュージャージー州拠点のAIソフトウェア企業Artificial Medical Intelligence(AMI)の6日付プレスリリースでは、同社のアプリケーション「EMscribe」において、電子カルテの文章記録からリアルタイムでSOFAスコアを自動生成する機能が発表された。EMscribeは自然言語処理とAI技術によって、カルテからのパラメータとコード抽出を行ってきたソフトウェアである。

AMI社のCEOであるAndrew B. Covit氏によると「COVID-19パンデミックのなか、すべての重症患者のSOFAスコアをバックグラウンドかつリアルタイムに集計することで、患者の治療優先度を決定する臨床医の倫理的負担を軽減し、臨床パフォーマンスを向上できます。EMscribeの新機能は、難しい決断を下す臨床医を助ける自動化ツールです」と語っている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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