成人から小児まで、COVID-19感染者の病状を迅速かつ効果的に理解するため、胸部CTのAI解析モデルが世界各地で開発されている。米国トップクラスの小児科病院でワシントンD.C.拠点のChildren’s National Hospitalは、米国国立衛生研究所(NIH)およびAI・ビジュアルコンピューティング技術をリードする企業NVIDIAと協力し、COVID-19を肺のCTから診断するAIモデルを競うコンペティション「Grand Challenge」を実施した。
Children’s National Hospitalの12日付ニュースリリースではコンペのトップ10が公表されている。コンペでは公開データセットから提供された、様々な年齢や性別、異なる重症度、多施設・多国籍の患者からなる画像データが利用された。2020年11月から12月のコンペ実施期間、世界中から1,000以上の参加チームが集まっている。ちなみに日本からは名古屋大学のTong Zheng氏らによる「Fully-automated COVID-19-20 Segmentation」がトップ10のなかでNo.6に名を連ねている。
共同開催したNIHのBradford Wood氏は「世界的な学術コミュニティが、パンデミックで引き起こされた無数のニーズをよく研究し、対処するツール開発のため専門知識を組み合わせたチームを迅速に組んだことに拍手を送りたい。この困難な時代に科学界をひとつにする共通の目的に向けて手を組んだ各チームに感謝します」と述べた。