グラフィックス処理を得意とし、GPU開発に特化したハードウェアメーカーとして知られるNVIDIAは、近年、AIコンピューティングにおいてその存在感を高めているが、特に医療分野におけるAI活用が目覚ましい。プロジェクトClaraと呼ばれるAIを活用した画像診断技術への取り組みが記憶に新しいが、なぜNVIDIAはヘルスケア分野の開拓に力を入れるのか。
AIMedが行ったNVIDIAヘルスケア部門の担当者Craig Rhodes氏へのインタビューでは、「我々が取り扱ってきたGPUの進化は、医療における画像解析を直接的に向上させるもので、(NVIDIAがヘルスケアに参入するのは)とても自然なことだ」と述べている。また、これまで別個に扱われてきた病理画像、ゲノム情報、臨床情報などを、AIによって一まとめにに解析することで、新しい情報を医療者に提供できるようになるとしている。
NVIDIAはInception Programを通じ、ヘルスケアベンチャーへの積極的な支援と連携を進めることでも医療分野における地位の確立を推進している。MedCityNewsによると、NVIDIAのヘルスケア部門Kimberly Powell氏は、現在の医用画像研究の約半数が深層学習を用いて行われていることに触れ、「AIが診断技術の向上に変革をもたらす余地が大きい」とした上で、NVIDIAがその中核を担うことへの大きな野心を示している。