イギリスの名門大学 インペリアルカレッジ・ロンドンの研究者は、世界的な製薬企業であるバイエル社と共同で、心臓病診断を行うAIを開発すると発表した。今回の研究は、AIの機械学習を利用して心臓の3Dモデルから心臓病を診断しようと試みるもので、バイエル社の技術とインペリアルカレッジ・ロンドンの研究力を活かして行うという。
インペリアルカレッジ・ロンドンの記事によると、イギリスでは約700万人もの患者が心臓病や循環器系の疾患を抱えながら一人暮らしをしており、4人に一人は病気が原因で亡くなるという。今回の研究によって心臓病の早期発見が可能になれば、発作を未然に防ぎ、一人暮らしの患者でも安心して生活できるようになると考えられる。また、バイエル社は、すでにMRIの検査結果をもとに心臓の3Dモデルを作る研究を行っており、この情報に加えて、これまでの臨床データや遺伝子的な要因を考慮することで、より正確な診断が可能になるという。
Pharma Timesによると、今回の研究では、UK Biobankと呼ばれる50万人もの患者から得られた臨床データを利用して診断を行うという。また、この研究は心臓病の新しい治療法の研究にも大いに役立つだろうと言われており、期待が高まっている。