ロイヤルメルボルン工科大学の研究グループは、糖尿病が原因となって発症する網膜症を検知するAIシステムを開発したことを発表した。糖尿病網膜症は2030年までに約2億人もの患者を出すとも言われ、成人が失明する主な原因にもなっている。また、初期症状がなく進行も早いため、早期診断の技術が求められている病でもある。
Drug Target Reviewによると、今回開発されたAIシステムを使うと、画像認識技術によって病気のサインとなる網膜上の分泌液を検知することができるという。ロイヤルメルボルン大学のProf Kumar教授によると、糖尿病網膜症のうち1/3は通常の検査では検出することが難しく、また、検査は高価で高度な技術を要するため、発展途上国など一部の国では病気の診断すらも難しい。この問題を解決するため、研究チームは安くて正確な診断システムの開発を目指し、画像認識技術を用いたAIシステムの開発に成功したのだという。
GEN newsによると、研究チームは開発した診断機器の製造やさらなる発展を目指すため、企業との共同研究を検討しているという。また、現段階で診断の精度は98%と発表されており、まさに低コストで高精度な診断方法であるとして注目を集めている。