米メイヨークリニックの研究チームは、AI技術を利用し、心電図波形のみから無症候性左心室機能不全(ALVD) を見つけ出すシステムを開発した。ALVDは放置すると心不全に至る可能性の高い重要な疾患だが、検査方法が特殊なために見逃されることも多かった。
メイヨークリニックが今月7日に報じたところによると、研究チームは、同病院に蓄積された62万セットに及ぶ心電図波形と心臓超音波画像を利用し、アルゴリズムへの学習と妥当性の検証を行ったという。研究に携わったPaul Friedman医師は、「容易で安価な検査によって、隠れた心臓疾患を指摘することができるようになった。このシステムの人命と健康増進への貢献は非常に大きい」と語っている。
米国ではうっ血性心不全患者は500万人を超え、300億ドル以上の医療費支出が推計されている。日常臨床における一般的な検査で事前にALVDを診断することができると、心不全患者は大幅に抑制できるだろう。Health Data Managementは、同システムがALVDだけでなく、ほかの循環器疾患の発症予測にも優れていることを報じており、革新的技術の展望に大きな期待が寄せられている。